Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Leggi 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 145.722 caratteri · 286 schermate
う、ね、茂ちゃん」
弁信はこういって暫く声を呑みましたが、また、ねんごろに言葉をつづけました。
「茂ちゃん、お前は後生というのを知っていますか……人間に生を受けたこの世は長くても百年。五十年を定命と致すそうでございます。けれども生命の流れは曠劫より来って源を知ること能わず、未来際に流れてその尽頭を知ることができないのですよ。五十年百年の命は、この長き生命の流れに比べますと、電光朝露よりも、なお速かなものだと思いませんか……後生がないという人は、一日の間に昼夜がないというのと同じことです、死は暫くの眠りでございます……」
ここに至ると弁信は、茂太郎に向って語るのだか、それとも、他の見えざる我慾凡俗の衆生に向って語るのだか、わからない心持になったと見えて、
「皆様、人間の死は一つの眠りでございます、眠りの間にも生命は働いているのでございます……ただ一日の夜は、正確な時間の後に万人平等に来りますけれども、人間の死にはきまりというものがございません、死の来る時だけは、人間の力で知ることができず、制することもできません。皆様、それを恨むのは間違いです、人は病気で死んだ、災難で死んだといいますけれども、この世で病気に殺されたり、災難に殺されたりした者は一人もあるものではございません……いいえ、いいえ、お聞きなさい、そう