Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Leggi 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 145.722 caratteri · 286 schermate

Aozora Bunko

「そうかなあ」

米友は無言で何か反省を試むるような気色でありましたが、なにぶん解せない面色を拭うことができません。

「わかったか」

と道庵からいわれて、

「どうもわからねえ」

と白状しました。正直な米友の心では、神様を拝むのに誠心を論ずるのはよいが、距離を論ずるのは、ドコまでも不当理窟のように思われてならないのです。つまり、お賽銭箱の前で拝もうと、鳥居の前で拝もうと、また自宅の神棚へ招じて拝もうと、誠心に変りがなければよいものだという理窟を、道庵が排斥しながら説き明してくれないものだから、迷います。

道庵はそれを相変らずいい気持で、

「は、は、は、は、は……」

と高笑いしたのは、本気の沙汰だか、ふざけているのだかわかりません。

しかし、米友としては道庵を信じ、今までとても、気狂いじみたところに、あとでなるほどと思わせられたり、ふざけきったのが存外、まじめであったりしたことを、いつもあとで発見させられるものですから、これにも何か相当のよりどころがあるので、それはあとでおのずから教えられることだろうと、押返してたずねなかったのは、つまり米友もそれだけ修行が積んだものでしょう。