Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Leggi 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 159.272 caratteri · 313 schermate
それに負けず、一方にはまた、
菊は咲く咲く、葵は枯れる
西じゃ轡の音がする
と唄い、囃し、おどり狂っているものもある。その千態万状、たしかに珍しい見物ではある。七兵衛も呆れながら飽かず眺めておりました。
十五
「弁信さん――」
信州白骨の温泉で、お雪は机に向って、弁信へ宛てての手紙を書いている。
「弁信さん――
お変りはありませんか。わたし、このごろ絶えずあなたのことを思い出していますのよ。誰よりも、あなたのことを。
どうかすると、不意に、枕元で、あなたの声がするものですから、眼を醒まして見ますと、それは、わたしの空耳でした。
どうして、わたし、こんなに、あなたのことばかり気になるのかわかりませんわ。
ほかに思い出さねばならぬ人もたくさんありましょうに、弁信さんの面影ばかりがわたしの眼の前にちらついて、弁信さんの声ばかりが、わたしの耳に残っているのは、不思議に思われてなりません。
それはね、わたしこう思いますのよ、弁信さんはほんとうに、わたしのことを思っていて下さる、その真心が深く、わたしの心に通じているから、それで、わたしが弁信さんを忘れられないものにしているのじゃないでしょうか。