Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Leggi 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 159.272 caratteri · 313 schermate
「友様、どうした」
「うーん」
と米友が杖槍から荷物まで、そっくりそこへ抛り出し、足を投げ出して、上目遣いに、道庵の面を眺めただけで無言。
米友のグロテスクな面に、浅間の雲と同じような憂鬱が三筋たなびいている。
道庵はそこで杖を立てて、信濃の山川を顧みていると、
「先生」
暫くあって、米友が重苦しく道庵を呼ぶ。
「何だい」
「人が死んでも、ほんとうに魂というものが残るのか」
「そりゃ、そうだとも」
「で、その魂はどこへ行ってるんだ」
「うむ、そりゃあ……」
道庵はグッと唾を呑み込んで、
「そりゃあお前、地獄へも行けば、極楽へも行かあな」
「地獄と極楽のほかに、この世へ戻って来ることはねえのか」
「そりゃ、この世へ戻って来ることもある、魂魄この土にとどまって、恨みを晴らさないでおくべきか……」
道庵は瓢箪をあやなして、変な見得をきってみましたが、米友はその追究を緩めないで、
「その魂がこの世へ戻って来ると、どこにいる」
「うむ、そりゃあ……そりゃこの宙に彷徨っていてな、好きな奴へは乗りうつり、恨みのある奴には取ッつく」
「うん、それで、その魂は、どんな色をしている」
「色――魂の色かい」