Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Leggi 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 74.962 caratteri · 145 schermate

Aozora Bunko

この、後ろから飛ぶが如くに現われた一つというのは、女興行師の親方お角さんを乗せた一梃の駕籠でありました。

ああして、中ッ腹で鳥居前を出かけたのだが、名古屋まで行くのに、駕籠をそんなに飛ばせなくてもいいはずだが、自分の気が焦るのではない、駕籠かきそのものが、この空気に怯えて、そうして、おのずから早駕籠になってしまうのでしょう。

駕籠の中で女長兵衛をきめこんでいるお角さんは、やっぱり事の体を見すましては片腹痛くしつつあるに相違ない。

喧嘩だ、戦争だ、異国人だ、仏壇を背負い出せということの元のおこりを、一切知り抜いているお角さんには、そのうわっ調子の、薄っぺらの、物影におびえる奴等の胆っ玉のほどが、お気の毒でたまらないのも無理はありません。

本来ならば、皆さん、そんなに喫驚なさるがものはありませんよ、喧嘩ですよ、喧嘩は喧嘩ですけれど、お相撲さんの喧嘩ですから、少し荒っぽいことは荒っぽいもんでしたが、もう済んでしまったんですよ、驚いちゃいけません、ねえ皆さん――とでも言って、大いになだめにかかるべきところなのですが、前に言ったような虫の居所で、今日は特別に――皆さん、大変ですよ、全く……早くお逃げなさいな、神棚でも、仏壇でも背負えるだけ背負って、猫を踏みつぶさないようにして、早くお逃げなさいよ、異国の船が、たった今