Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Leggi 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 74.962 caratteri · 145 schermate

Aozora Bunko

「いないとも言えないね」

「そんなら、あのイヤなおばさんなんて、まだ魂魄が、白骨谷か、無名沼あたりにとまっているでしょう、怖いことね」

「左様、あのおばさんの魂魄は、もう白骨谷には留まっていまいよ」

「どうしてそれがわかります」

「飛騨の高山が家だというから、いまごろは、高山の方の屋の棟にかじりついているかも知れない、それとも途中、この温泉場が賑やかだから、今晩あたり、この宿の棟のあたりに宿っているかも知れない」

「イヤですね、先生、そんなことをおっしゃってはイヤですよ」

「でも、お雪ちゃん、お前はだいぶあのイヤなおばさんに、なついていたようだ」

「それは、あのおばさん、イヤなおばさんにはイヤなおばさんでしたけれど、それでも憎めないところがあって、イヤだイヤだと思いながら、どこか好きになれそうなおばさんでした、本来は悪い人じゃないのでしょう」

「は、は、は、あぶないこと、お前も二代目浅公にされるところだったね、あんなのに好かれると、骨までしゃぶられるものだ」

「全く、浅吉さんていう人は、なんてかわいそうな人なんでしょう、おばさんの方は自業自得かも知れないが、浅吉さんこそ浮びきれますまいねえ」