Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Leggi 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 86.467 caratteri · 168 schermate
「旦那様、まあ、お敷きなさいまし」
と言って、与八は有合せのゴザを取ってすすめます。
「今夜は雨も降るし、静かな晩だから、お前と一話ししようと思ってやって来たよ」
してみると伊太夫は、他家への帰りにここへ立寄ったものではなく、雨の夜を、わざわざ合羽傘で、ここへ話しに来ることを目的として来たものに相違ありません。
何してもそれは与八として光栄でもあり、恐縮でもないはずはありません。
米搗きはそのままにして、与八は自在の鉄瓶を下へ卸し、火を焚きつけにかかりました。
伊太夫は、抱えて来た包みを解いて、また別の一つの箱を取り出しました。その箱には煎茶の道具が簡単に揃えてあるし、お茶菓子も相当に用意して来てあるようです。
やがて湯が沸くと、主人伊太夫が手ずから茶を立てました。
茶を立てたといったところで、なにも与八のためにお手前を見せに来たわけではないから、持参の茶器へ、普通に民家でする通りお茶ッ葉とお湯を入れて、飲みもし、飲ませもしようという寸法だけのものです。
「さあ、お茶をおあがり、お菓子を一つお抓み。その子供さんにもおあげ」
ちょうど、この場合、主客が顛倒したように、伊太夫が二人をもてなすような席になりました。