Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Leggi 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 86.467 caratteri · 168 schermate

Aozora Bunko

「兄い、もういいかげんでいいやな、そんなにめかしたって誰もかまっちゃくれねえんだ、それよりか、おいらを少しの間でもいいから野放しにしてくんな、あんなに広い原っぱがあるじゃねえか、あれ見な、あの森には真紅な柿の実がなっているよ、栗も笑んでらあな、ちっとばかり放して遊ばせてくんなよ」

こういうような我儘で、米友の親切を振りもぎりたがって暴れているのみであります。

けれども、米友は、親としても、師としても、左様な駄々っ児ぶりは許すべき限りでないと、あがく熊を抑えつけては、ごしごしと五体を洗濯してやっています。

六

かくして宇治山田の米友は、熊を洗うことに打ちこんで総てを忘れてはいるが、実はそれと相距ること遠からざるところに、熊よりも一層忘れてはならない相手のあるのを忘れていました。

枇杷島橋の上で、ファッショイ連を相手に、さしも武勇をふるった道庵先生が、ここは尾州清洲の古城址のあたりに来ると、打って変って全く別人のように、そこらあたりをさまようて、古えを懐い、今を考えて、徘徊顧望、去りやらぬ風情に、これも自身我を忘れているのでありました。