Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Leggi 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 254.021 caratteri · 495 schermate
「ありがとう――」
「明日あたりから君、畜生谷が現われるんだぜ、しっかりし給えよ」
「畜生谷とは?」
「畜生谷を知らんのか――白山白水谷のうちに、有名なる畜生谷というところがある――そこへ落ち込んだら最後、浮み上れないのだ」
百二十二
「さようなら、宇津木」
「宇津木君、失敬」
二人は、ついに行ってしまいました。
兵馬は柱にもたれたまま、それを引留めたい心でいっぱいでありながら、ついに戻れという機会を逸してしまいました。
それは会話なかばに、とても眠くなって眠くなってたまらなくなり、うっとりと失神状態に陥ったところを、二人に無造作に立ちのかれてしまった。そこに気がつくと、何とも言えない空虚を感じ出して、そのままその座を飛び立って、戸の外へ走り出しました。
「おーい、仏頂寺君――丸山君」
声を限りに呼びながら、兵馬は二人のあとを追いかけたのです。
無論、そのくらいですから、草鞋をつける余裕もなく、有合わす履物もなく、戸を押したか開いたかそのこともわからず、仏頂寺と丸山とが、東へ行ったか、西へ行ったか、その痕跡に頓着もなく、兵馬はやみくもに走り出したのです。