Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Leggi 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 254.021 caratteri · 495 schermate
巌の下の淵をのぞくと、また夥しい美鳥がいる。
「下のは鴨、上の真黒いのは何だい、烏じゃねえ、鵜だ、鵜だ――畜生、逃げやがらねえ」
と、岩角で地団駄を踏んでみて舌を捲いたのは、この夥しい鳥が、ちょっとやそっと威してみたところで、お感じのないことです。
「畜生、畜生――」
米友が、ムキになって鳥を追うものですから、弁信が、
「米友さん――鳥が驚かないのが人の住まない証拠です、島が小さくて、畑を作るべき土地も、面積もないから、人が住まないのです」
斯様に弁信が断定を下しながら、米友を先に立てて行くうちに、米友がまたも叫び出しました、
「弁信さん――お前の言うことは、どうもあんまり当てにならねえ」
「どうしてですか」
「お前は、この島に人が住まねえと言ったが、これこの通り、ちゃんと、人の住んだあとがある」
「え?」
「これ見な、この岩の一角を切り拓いて、ちゃんと人間の住居がこしらえてある、これ見な、やあ――木魚があらあ、お経の本があらあ――鉦太鼓があらあ……」
米友は自ら好奇をもって進入したところには、岩に沿うているけれども洞穴ではなく、たしかに人間のむすんだ草の庵があるのです。