Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Leggi 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 254.021 caratteri · 495 schermate
「オ嬢サン、ソンナ愚痴イケマセン、少シノ辛抱デス。デハ、ワタシ、アナタノタメニ唄ヲウタッテ上ゲル、コノ手風琴デ、世界ノ国々ノ、港々ノ唄ヲウタッテアナタヲ慰メテ上ゲルデス。今晩一晩ダケデス、明日コノ川下ルト海ニ出マス、海ニ出ルトソノ黒船ガ待ッテイルデス。サ、ワタシ、オ嬢様ノタメニ、世界ノ国々ノ、港々ノ唄ヲ何デモウタッテ上ゲルデス、オ望ミナサイ、外国ノ唄オイヤナラ日本ノ唄、ワタシタイテイデキルデス、八重山、越後獅子、コンピラ船々、追分、黒髪、何デモオ望ミナサイ」
と言ってマドロスは、立って一方の隅から手風琴を提げて来ました。これは無名丸備えつけの品を、行きがけの駄賃にかっぱらって来たものでしょう。
「いや、いや、唄なんか聞きたくありません、唄どころじゃないわ」
「船カラオ茶少シ持出シテ来マシタ、オアガリナサイ」
「何も欲しくありません。ああ、いやだ、だんだん外が暗くなる。帰りましょうよ、マドロスさん、ね、お詫びをして、駒井の殿様のところまで帰りましょうよ、直ぐにね、日の暮れないうちに、さ、いま直ぐに」
「イケマセン、イケマセン、モウ少シ落着クコトヨロシイ」
「いいえ、わたし、もう思い立ったら意地も我慢もないのよ、マドロスさん、お前、戻るのがいやなら、わたしは一人で出かけます」