Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Leggi 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 178.374 caratteri · 345 schermate

Aozora Bunko

「馬鹿!」

と、眼の玉の飛び出すほど、渡り者の老仲間が叱り飛ばされました。

渡り者の老仲間は、せっかく親切ごころで言ったのに、頭ごなしにやられたので、何がお気に召さなかったのか、それがわかりません。見れば神尾は三ツ眼で、行列を睨んだまま、怒気と、軽蔑を満面に漲らせている。

馬鹿! 時勢が険悪だと言ったところで、天から矢玉が一つ降って来たわけではないぞ、地から薩長が湧いて来たわけではないぞ、それに今から食糧の心配をして、どんどん焼を食いたさに、こうして早朝に時間をつぶし、仕事をつぶして、行列を作るとは何たる醜態だ! これが江戸っ子の仕業か! 武士は食わねど高楊枝も古いものだが、およそ江戸っ子の全部が武士でないまでも、江戸っ子は江戸っ子としての恥を知らなければなるまい。こいつら、江戸っ子の皮をかぶった江戸っ子ではあるまい、他所から流れ込んだ江戸っ子の居候共だろう。山猿や、百姓共が、ガツガツしてこのザマなんだ、少なくとも、二代、三代、江戸の水を飲んだ奴に、こんな恥を知らぬ奴はないはずだ。面を見てくれよう、面を見ればわかる、江戸っ子の面よごしめ!

神尾主膳は、こう思うと、ズカズカ近寄って、その行列の面を二つ三つ、つかまえて調べてみましたが、