Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Leggi 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 178.374 caratteri · 345 schermate
と言うから、鐚が木口の後ろを見ると、いかにも人のよさそうな老爺が一人、なべーんとした面をして、しょんぼりと控えている。その姿を見て、鐚が、なるほど姪を孕まして、板下に書いて売出しそうなおやじだ、至極お人よしだなと思いました。だが、いい年をして、木口あたりの手下になって、頭を下げに来る、老爺の人のよい姿を見ると、鐚も物の哀れを感じないわけにはゆきません。
木口の後ろには、まだ、これを親分と頼むイカモノが多分に控えている。これらを押並べて、
「さあ、面が揃ったら、ひとつここでパチリとやってくんな」
当時、舶来の珍しいはやどり機械を据えた三下奴――
「爺つぁん、お前も下っぱの方へ坐りな」
信州から来た木曾の藤爺さんを、下っぱに押据えて、木口勘兵衛尉源丁馬が傲然として正座に構えたところを見ると、さすがの鐚も悲鳴をあげ、
「トテモ受けきれねえ」
と言って、逃げ出してしまいました。
下駄をひっ提げて、溝板のところをほうほうの体で逃げ出した鐚助――
「どうもはや、木口勘兵衛ときては、さしもの鐚も受けきれねえよ、あいつ、イカモノ作りの四国猿のくせに、いやにアブク銭の銭廻りがいいもんだから、トカク銭の力で、八方袖の下撫斬流と来るから受けきれねえ」