Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Leggi 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 104.838 caratteri · 204 schermate
もう少し考えた上で、おたがいの安全を期しつつ、彼を無事にこの船中へ取納める方法を講ずるがよかろうではないか」
「なるほど、そのへんもありましょうな。窮迫しても彼が、駒井氏や無名丸を肩に着ようとしないし、直接にここへ目指して逃げて来ようとしないところに、彼の思慮は充分見えるようです。では公然のもらい下げ運動は見合わせるとして……」
その次の方法でありました。そこへお松が意見を述べたのは、
「わたし一人で出かけてはいかがでしょう、わたしならば人様も疑いますまいから、巡礼の姿にでもなって、そうしてムクを連れて行けば、きっと探し当てられると思います。わたしをやっていただきましょう」
「いや、それはいけまい、言語風俗の違う若い娘が巡礼姿にやつすとはいえ、たった一人で、その辺をうろつくなんぞということが、かえって人の眼につき易い。それにムクは、また目立ち過ぎる」
評議半ばのところへ、扉をやや手荒く外からおとなう者があります。
「誰だ」
扉を開いて、板張にかしこまっている男。
「船頭でございます」
「何か用か」
「あのムクが帰りましたそうでございますが、どうか、さきほどお願え申した通り、ムクをお借り申してえんでございます」