Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Leggi 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 285.635 caratteri · 558 schermate
お雪には、久助のほかに連れの人がある。お雪の口ぶりによれば、それは兄であるともいうし、また先生と呼ぶようなこともあるが、その人は、絶対にこの一座の人には加わることがないのみならず、その存在を知っている人すらも、この一座の中に極めて稀れだという有様であります――つまり、その人の病気が悪いので、お雪が心配して、自分も浮かぬ色になり、楽しみにしている炉辺の閑話にも出られないのだろうと、好意に解釈したり、想像したりして、この上もなく物足りないながら、わざわざ人をやって、お雪を招こうとはしませんでした。
ところが、一日たち、二日たつうちにも、お雪は容易にこの席へ再び姿を現わそうとはせず、そのくせ、抜け出すようにして、かなりのひとり歩きを試みて帰ることが多いようです。つまり、今まで社交を好むように見えたお雪の性格が一変して、なるべく人を離れて、ひとりほしいままにすることを好むような性癖に変ったと見れば、見られないことはありません。
十三
「弁信さん……
今日はわたし、焼ヶ岳を見に参りましたのよ……」
お雪はまたしても弁信にあてての手紙を書き出しました。