Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Leggi 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 285.635 caratteri · 558 schermate
宿の入口で山崎譲と別れたお角は、自分の座敷へ入って、寝しなに一ぷくやろうとして、そこで変なものを感じました。
「おや、そそっかしい女中さんだ、何を間違えてるんだろう」
見れば、自分の蒲団には枕が二つ並べてある。しかも、その一つは男物――寝巻までが、ちゃんと二人前揃えてある。
お角はあきれて、せせら笑いながら、一ぷくのみ終って、静かに女中を呼びました。
「姉さん、間違えちゃいけないよ、こっちは独身者なんですから」
可愛らしい小女の女中は、そう言われて、いっこうのみ込めず、
「でも、お客様、さっき、あなた様のあのお若い衆さんとは別なお連れだという方が、ちょっとお見えになりまして、おそく帰るかも知れないから、こうしてお床をのべておくようにと、お指図をしておいでになりました」
「冗談じゃありません、そりゃお門違いですよ」
「それでも、たしかに、こちらへお帰りになるからとおっしゃいました」
「いけない、いけない、戸惑いもいいかげんにしないと罰が当りますよ、かまわないから、片づけちまって頂戴……」
「それでも……」
「遠慮することはないじゃないの、一晩でもとめてもらった以上は、わたしというものがこのお座敷の御主人なんだから、誰にも遠慮はいらない、片づけて下さい」