Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Leggi 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 285.635 caratteri · 558 schermate
「さては!」
と思ったのであります。なんだか、それが必然的に、昨夜来の頭に上って来たところとうつり合って、その御用の主が、がんりきの百でなければならないように直覚してしまった。それがお角の胸をヒヤしました。
それで万一には、百がここへ逃げ込んで来たらどうしよう。その場合は、昨晩のとは性質が全く違うから、それは見殺しはできまい。いやな奴であろうとも、なかろうとも、ここはかくまってやらねばなるまいと、お角は早くも心構えをして、手水もそこそこに座敷に帰って、戸棚の中なんぞを調べてみたりして構えていたが、外の騒ぎはかなり騒々しいのに、ここへは虫けら一匹も飛び込んでは来ない。
「どうしたんだね、あの騒ぎは」
なにげなく例の女中さんにたずねてみると、それは、この小田原の出城の一つで、荻野山中の陣屋を焼討ちした悪者が、この城下へまぎれ込んだものだから、それをつかまえるためにあの騒ぎだと聞いて、おやおや、それは少し当てが外れたかな、がんりきの百も、相当の悪党がりではあるが、陣屋を焼討ちするようなことはすまい。では、自分の想像が、すっかり外れたのだ、御用の主は、もっと大きな魚なのだ――それで安心のような、不安心のような思いをしながら、朝飯を食べる。