Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Leggi 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 285.635 caratteri · 558 schermate
泳ぎが達者で、海の中で仕事をするのが本職だとはいえ、陸へ出ても、一人前の男以上の働きはする。今もこの通り、二十貫もあろうという石を、どこから背負って来たか、つまり他のものの力というものは一つも借らずに、ここまで持って来たことでもわかります――どうかすると房州の女は力がある上に多情だというものがあるけれど、必ずしも、そういったわけのものではあるまい。
ただ気候が温暖なため、もう一つは、婦人の労働が盛んで肉体が肥るのと、もう一つは、飽くまで魚肉を食うから、それで肉体の燐分が豊富になり、色慾が昂騰するのだというものがある。それは比較的そうかも知れないが、それを以て、房州の女全部の貞操に当てはめるのはいわれのないことです。
この労働女もまた、そういった種類の御多分に洩れないのかも知れない。御多分に洩れても洩れなくても、それはよけいなことですが、この際、偶然とはいえ、ここへ石塔を持って来て押立てたことは、気が早過ぎるといえば早過ぎる、ということができます。
清澄の茂太郎にとって、不祥といえばこれ以上の不祥はありません。
苟くも人間一人が陥没して、生死不明になったその瞬間に、事もあろうに、その同じ地点へ持って来て石塔を押立てるということは、当人の知ると知らぬにかかわらず、好い辻占とはいえますまい。