Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Leggi 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 285.635 caratteri · 558 schermate
茂太郎は、随意に、随所のものを利用して管絃をつくり、随意に鳴らすことを得意としています。洲崎の浜で、この蘆管をつくり、番所の庭で吹いていました。
その時に、田山白雲が、その笛の音を聞いて茂太郎のために、こういう詩を吟じたことがあります。
遼東九月、蘆葉断つ
遼東の小児、蘆管を採る
可憐新管、清にして且悲なることを
一曲風飄りて、海頭に満つ
海樹蕭索、天霜を降らす
管声寥亮、月蒼々
白狼河北、秋恨に堪へ
玄兎城南、みな断腸――
白雲の豪壮な体躯と、爽快なる咽喉から、この詩が迸り出でる時、茂太郎は笛をやめて、白雲の咽喉の動くのを見つめていたことがあります。
今は、その時とは違って、ただひとり、ほしいままに蘆管を吹き鳴らしていると、ゾッと寒気を催します。何しろ、裸ではあるし、海の風がうら淋しく吹いてくるのですから、蘆管の音そのものまで寒くなるのも仕方がありません。
幸いにして、その寒気を感じた時分には、着物はおおかた乾いていたものですから、茂太郎は無雑作にそれを取って一着に及びました。
まだ興が中断せず、着物を着て再び薪を加えてから、またも蘆管を取って吹き鳴らそうと試みた時、かの無縁仏の多くの石塔の間に、動いて来るものを認めました。