Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Leggi 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 285.635 caratteri · 558 schermate
今日でも、復興の東京の騒々しい物音を数十尺だけ超越して、たとえば、駿河台、本郷元町台、牛天神、牛込赤城神社、谷中、白金、高輪台あたりか、或いは市中の会社商店等のビルヂィングの高塔の上に身を置いて、天候の至極よろしい日――例えば初冬から早春に至る間の快晴の日、東京では秒速七八米突から、十米突ぐらいまでの北西の風が帝都の煙塵を吹き払うの頃、それも山地に降雪多く、ややもすれば水蒸気が山の全容を隠すことの多い十二月から二月は避けて、三月から四月へかけての雨上りの朝の如上の風速のありそうな日――この一年のうち、いくらもなかるべき注文の日を選んで、数十尺の超越から帝都の四境を見渡すと、そこに都人は、崇高にして悠遠なる山岳のあこがれを呼びさまされて、自然と、人生との、髣髴に接触することができる。
千九百六十米突の白岩山がある。二千十八米突の雲取山がある。それから武州御岳との間に、甲斐の飛竜、前飛竜がある。御前と大岳を前立てにして、例の大菩薩連嶺が悠久に横たわる。
天狗棚山があり、小金沢山があり、黒岳があり、雁ヶ腹摺山がある――ずっと下って景信があり、小仏があり、高尾がある。