Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Leggi 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 285.635 caratteri · 558 schermate
の不幸であります。
四
根岸の、お行の松の、神尾主膳の新ばけもの屋敷も、このごろは景気づいてきました。
それは、七兵衛が、例の鎧櫃に蓄えた古金銀の全部を、惜気もなく提供したところから来る景気で、これがあるゆえに、ばけもの屋敷に、一陽来復の春来れりとぞ思わるる。
この黄金の光で、ばけもの屋敷がいとど色めいてきたのみならず、この光によって、いずくよりともなく、頼もしい旧友が集まって来たことも不思議ではありません。
ある夕べ、主膳は、このたのもしい旧友の頭を五つばかり揃えて、悠然としてうそぶきました、
「黄金多からざれば、交り深からず」
七兵衛が苦心して――資本いらずとはいえ、あれだけ集めるの苦心は、資本をかけて集めること以上かも知れません――集めた古金銀の年代別の標本も、神尾らにとっては標本としての興味ではなく、実用(実は乱用)としての有難味以上には何もないのですから、早くもその古金銀は、最も実用に適する種類のぜに金に換えられて、当分は、それを崩し使いというボロい目を見ることができます。
しかし、そこにはまた相当の用心もあって、このまま両替しては、かえって世間の疑惑を引き易いと思わるるものは、そのままで筐底深くしまって置いて、後日の楽しみに残すこととしました。