Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

Leggi 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 368.567 caratteri · 720 schermate

Aozora Bunko

「うむ、それにしても明朝でよかろうではないか、今晩一夜を明かして、明朝早立ちとしたらどんなものか、拙者の方にも、これでまだ相当に仕度というものがある」

「われわれは、その今晩一夜がいやなのだ、今のうちに立ってしまいたい」

「何をそんなに、急にいやけがさしたのか」

「ここに逗留の奴等が、どうも気に食わない、イヤな眼附でわれわれを見る、さもわれわれの素性を知り抜いているような目つきで、われわれを見るのが癪だ」

「えらく、小さなことを気にしだしたな」

「それともう一つ、夜中になると聞え出す、あの尺八が癇にさわってたまらない」

「ははあ、貴殿たちに似合わない、人の眼附を気にしだしたり、尺八の音を耳ざわりにしたり、まるで神経衰弱の気味だ」

「空気が違うから気に食わんのだ、イヤに一癖ありそうな冬籠りの奴等ではある、妙に身を落してはいるが、イヤに学者面が鼻の先にブラ下がって、われわれを見下げるような面附が気に食わん」

「それは君たちのひがみだろう、そう悪い人たちばかりではない」

「それに、今晩、またあの尺八を聞かされては眠れるものでない、なんだか冥府へでも引きこまれるように、妙に気が滅入ってたまらなかった、今晩、またあれを聞かされては本当にたまらないから、逃げ出すのだ」