Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Leggi 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 368.567 caratteri · 720 schermate
味噌と唐紙とは、ついてもつかない取合せです。それを易々と請合った道庵先生の返答もいよいよわからないが、なあに、それは最初から、問題のすりばちの中をよく見ておきさえすれば、何のことはなかったのです。
坊さんは味噌をするべきもの、擂鉢の中には味噌があるべきものと、前提をきめておいてかかったから、こんな行違いが生じたので、坊さんといえども、必ず味噌をするべきものではない。それは多数の坊さんの中には、味噌をする坊さんもあるにはあるが、全体の坊さんが、必ず味噌をするべきわけのものではないという物の道理と、それから擂鉢の中には、味噌を入れる擂鉢もあることはむろんであるが、擂鉢の全体が必ず味噌を入れなければならぬと規定すべきものではない。
そこの融通が、淡泊にわかっていさえすれば何でもなかったのです――この場合、擂鉢に入れられたのは、味噌ではなくて墨汁でありました。味噌をするべき擂鉢で、臨時に墨をすっただけのことであります。
それで一部分の事件が判明してきました。この坊さんが自分ですったか、また人にすらせたか、それはわからないが、これだけの墨汁を、ここに提供したのは、祭主たる道庵先生に、この墨でもって何かを書かせようとする予備行為でありました。