Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

Leggi 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 368.567 caratteri · 720 schermate

Aozora Bunko

それと押並べて、

「鎌倉右大将宇治山田守護職米友公」

と書きましたけれども、一人として度胆を抜かれたものもなければ、ドッと悪落ちも湧いて起りません。

天下に、切っても切れない不死身、洒落てもこすってもわからない朴念仁、くすぐっても笑わない唐変木、これらのやからの始末に困るのは、西郷隆盛ばかりではないらしい。

さすが道庵の悪辣も、この善良なる、平和の里の紳士淑女に向っては、施す術がないようです。ただただ悪辣も、奇巧も、無智と親切という偉大なる力に、ぐんぐん包容されてしまって、件の木柱は、敬虔なる態度で、お世話人衆の手によって運ばれ、そうして最初からの問題であった竹藪の中に持ち込まれると、そこにもう、あらかじめ、ちゃんとその木柱の根が納まるだけの穴が待っておりました。

それへ恭しく木柱が立てられると、そこで祭りの庭のすべての体が整うてきたと共に、今宵の祭典の意義も充分に明瞭になりました。

すなわち道庵と米友とが、仮りに施主となって、日本第一の英雄、豊臣太閤の誕生地を記念せんがためのお祭でありました。お祭でなければ供養でありましょう。供養でなければ施餓鬼かも知れない。