Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Leggi 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 368.567 caratteri · 720 schermate
「おみやげです」
「恐れ入りました、たいそう遠いところからおいで下さいました上に、こんな過分なおみやげまでいただきまして……ホホホ」
とお雪ちゃんが愛嬌を見せると、北原が、
「せっかく心にかけての訪問でございますから、何ぞと思いましたが何もございません、ホンの有合せ、これが私共の土地の名物だそうでございます」
そこでお雪は、お茶をいれにかかりました。
炬燵に落着いたその刹那に、友禅の蒲団にからまっていた書物が一冊――ハラリと飛んで北原の右の膝下に落ちたものだから、北原は何気なく、これを拾い上げて見ると、
「近世説美少年録」
ははあ、宿のつれづれに読むものとしては、ありそうなもの。
北原も、ちょっと合の手に、それを取り上げて見ると、北斎の挿絵が、キビキビと胸に迫るもののあるのを覚える。本文は読まずに飛ばして、紙を二三枚めくると、そこに折り目をつけ込んだところが一枚あります。
本来、読みさしの本には、有合せでも何でもいいから栞を入れて置くべきもの。中身の本紙を折畳むことは、無下の振舞だと、北原もそれは嫌いだし、お雪ちゃんのひとがらから言っても、こんなことをさせて置くのは惜しい、と感ぜずにはおられませんでした。