Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Leggi 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 368.567 caratteri · 720 schermate
生一本の男には忘れんとしても忘れられない、癒さんとしても癒しきれない、魂の片割れを死なして、往きて帰らぬ旅路に送りこんでしまっておいて、そうして今、自分だけひとり二度と故郷の山をまともにながめられるものか、ながめられないものか――
碓氷峠の風車の前で、東を向いてさえあの通りだ。
年甲斐もない道庵――その辺の事に察し入りがないというのはどうしたものか。たとえ、相手方から、あれが伊勢の国の山かいと聞かれても、なんのなんのと、そこは、お手のものでいいかげんにごまかして、感傷転換をやるほどの匙加減はあってしかるべきものを、もう取返しがつかない。
「危ねえよ、友様、そう前へ出ちゃあぶねえよ、落っこちると下だぜ」
といって道庵は、窓から身をのり出した米友を、しっかり後ろから抑えました。
抑えたけれども、米友の力と、道庵の力とでは、相撲にならない。
「うーむ」
血走る眼に鈴鹿山を睨めて、米友はまた一段と乗り出しました。
「あぶねえよ――友様、冗談じゃねえぜ、落っこちると下だよ」
道庵は、ほとんど必死で米友を抑えましたが、米友はそれを顧みず、
「うーむ」
もう一寸前へのたり出す。