Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

Leggi 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 368.567 caratteri · 720 schermate

Aozora Bunko

それに、あの娘には自分として、切っても切れぬ恩義を蒙っているといわねばならぬ。自分のあやまちから、日蔭に置いてある、まだ見ぬ子――自分にとっては、この地上でただ一人の血をわけた、しかも、男の子というのを、あの娘が預かって育ててくれている。いよいよ日本を立つ時は、どうしても、それに一応の挨拶無しでは立たれない。

駒井は、また既往のことと、自分のあやまちとを考え来ると、例の生一本に自分をにくみきっている奇怪なる小さい男――宇治山田のなにがしと名乗る男について、考えさせられないわけにはゆきますまい。

その時分に、時計の二時が鳴る。

ああ、もう二時だ、丑三時だ、寝なければならぬと気がついた時、ふと思い出したのは、酔いどれのマドロス氏のこと。

捨てておいても大事はないと信じているが、それでも気にかかる。

あいつは憎めない男だから、傍へ置いてみたが、今は単に愛嬌者としてでなく、実用の上に無くてはならぬ男になっている。

彼は、下級労働者ではあるが、外国の事情と、航海の知識等については、経験上から珍重すべきものを持っている。本は読めないが、言葉を研究するには、悪い参考とばかりはならない。