Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Leggi 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 368.567 caratteri · 720 schermate
上には猿が遊んでいて行人に悪戯をしかける。案内人なくては到底、入り難き山径である。そこで、土地の人が外出する時には、必ずなめくじを二三匹と、蟹を煙草入の間に忍ばせて行く。なめくじは蛇の属であるところの蝮を穴に追い込む道具で、蟹は猿を怖れしむるもの――そは冗談として、春夏の候、白川に入るの困難は、迷宮に入ることの困難の如くであるが、秋冬の間は、道がよく踏めてわりあいにその困難から救われるという。
そうして、その難路を分け入って、白川村に着いて見れば、土地は美しく、人情は潤い、生活の苦もなく、相互の扶助が調い、しかも遠人を愛して、悪人といえども、悔いて身を寄するものは、赦して永久に養うことを厭わない、ひとたびこれに入ったものは、永久に帰ることを忘れる、というような――太古の民、神代の風、武陵桃源の理想郷といったようなものが、よくよくお雪の脳裡に描き出されて、あこがれに堪えられないらしい。そのあこがれがあるところへ、目下の身辺の、なんとなく不安を感じ出したものですから、その想像が、いよいよ切実に誘いきたるもののようです。
四十八
別に、その同じ夜更けて、自称お神楽師の一行は、池田良斎の許に寄り合って、額をつき合わせて、あまりあたりを驚かさぬ程度で、談論しきりに湧くの有様でありました。