Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Leggi 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 368.567 caratteri · 720 schermate
この川向うの梅なんぞも、たしかにその名物の一つなのだ。その梅が、一本でも減少するということは、心細いもんだよ」
「このごろは、梅を植えるより桑を植えた方が割がいいなんて、みんな桑畑にしちまいたがるようです」
「それだ――桑を植えて、蚕を養って、絹を取れば、それは今のところ、割がいいかも知れないが、末に至って、どうなるものかわからない。桑がいいから桑、百合がいいから百合、除虫菊がいいから除虫菊――いいものに移るのはいいが、その時の調子で、眼先の景気だけに取られるのはよくない」
「そうですね、いま、割が悪いと思っても、直ぐにまた、よくなることもありますね、今時、ずっと景気がいいからといって、それが幾年も幾年も続いていられるかどうかわかりましねえ」
「そうだとも、今、梅よりも桑がいいからといって、あの見事な梅の老木を伐り倒し、桑を植えかえちまうなんていうのはほんとうに、眼の前だけの勘定だ、きっと、いまに後悔する時があるよ。そればかりじゃない、この裏の成木というところの山を掘れば、いい石灰が出るというんで、昔は江戸のお城普請にまで御用になったものだが、それをいい気になって、近頃は山師が入りこんで、その石灰山を買占める、正直な山持たちは、山の売値がいくらか割がいいというところに釣込まれて、山師に山を売ると、山師が黒鍬をつれ