Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Leggi 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 368.567 caratteri · 720 schermate
浮袋を片手にさげ、多分重しにつけて海へ沈んだものだろうと思われる鉄の玉を下へ置いたマドロス氏は、炉辺に有合せの丼を取り上げると妙な手つきをして、小屋の後ろの方を指さし、何をか哀願するような表情をしつつ出て行ってしまいました。
恐怖から解かれて、好奇ばかりになった子供たちは、あとを慕ってついて行って見ると、小屋の後ろの桃の木の下につないであった一頭の牝牛のところへ来て、右の異人が、
「ハウ、ハウ」
と、妙な叫びを立てました。
そこで、何をするかと見てあれば、マドロス君は徐に牝牛の下に手を入れて、その大きな乳房を撫でてみているうちに、丼を下へあてがって、乳をしぼりはじめたものです……その乳がなみなみと丼の上に溢れ出した時分、それを無造作に自分の口もとへ持って来て飲んでしまいました。
口もとまで来る時分、何をするのかと心配して見ている子供らは、毛唐人がそれを一息にグッと飲んでしまったものだから、驚嘆の叫びを立てないわけにはゆきません。この子供たちのあいた口がふさがらない先に、またも一方の乳房をとらえて、しぼりにかかりました。
この勢いでは、この牝牛の乳をみんな絞って、みんな飲んでしまうかも知れない、牛の子の飲むべき乳を――人間が横取りして飲んでしまうなんて、なるほど、毛唐というものは随分ひでえことをするなあ――