Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Leggi 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 368.567 caratteri · 720 schermate
そのはず、白牛酪とはすなわちバタのことで、茂太郎は、パンにもなんにもつけないバタを、高価なる薬品として振舞われているのだから、ばかばかしいといえば、ばかばかしいこと。
長い間、嶺岡牧場の白牛酪は、斯様に貴重な霊薬としての取扱いを受けておりました。
バタを食べさせられて、変な面をしていた茂太郎を、番兵さんは、流し目に見ながら、鯨のことを話し出しました。
それは、魚なりや、獣なりやというさいぜんの論争の引きつづきではなく、主として自分の見聞から、鯨は子を愛する動物であるという物語であります。
いずれの動物でも、子を愛さない動物はないが、ことに、鯨ほど子を可愛がる動物はあるまいとの実見談を、番兵さんが、茂太郎に話して聞かせました。
子鯨を殺された親鯨が、毎日その時刻になると港外までやって来て、或いは悲鳴をあげ、或いは直立して威嚇を試みつつ、子供を返してくれと訴うる様のいかにも哀れなのに、その子鯨を殺した漁師が、熱病にかかって死んでしまった、という話を聞いているうちに、茂太郎が、親というものは、動物でさえもそれほど子を愛するものだから、自分も当然親に愛されていなければならないはずなのに、その経験も、記憶も無いということが、この場合になって、茂太郎の興をさましてしまいました。