Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Leggi 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 268.946 caratteri · 520 schermate
「あ、わかりました、わかってよ、米友さん、あれあれ、あのお庭の松の木の上でしょう」
「そうだ、たしかに松の木の上あたりだ」
「鷲が来たんですよ、親鷲が、この鷲の子を取戻しに来たのです」
「そうか、そいつは……」
それから、物凄い鳥の叫びが屋根の上で起ると、にわかに大風を起したような物音が、例の松の大木の上でする。そうすると、その声と物音とを聞きつけて、こちらの鷲の子が、バサバサ、ガタピシと、もう矢も楯もたまらずに、檻の中で飛び狂うのが手に取るように聞えるのです。
米友は、そこで杖槍を引寄せてみましたけれども、さし当りどちらへ向っていいのか戸惑いの形です。
お雪ちゃんは、ただオドオドしている。
いかに短気一徹な米友でも、これはちょっと相手に取り難いものがあるのです。事情によって判断すれば、この戸外の松の大木あたりに、猛鳥が来て狂っていることは事実だが、それはなにも我を襲いに来たわけではない、親として子を思うという、徹底的に深刻純真なる本能が如実に現われたというまでのことであり、一方はまた、なにも我々を驚かし騒がせんがためにむやみにはばたきを試みたというわけでもなく、捕われの身の子として、親が戸外まで迎えに来ているということを知ってみれば、居ても立ってもいられないのは、何人といえども見易き、これも単純にして深刻なる