Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Leggi 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 268.946 caratteri · 520 schermate
実行というのは、この先生を起して、お雪ちゃんを完全に呼び生かした上に、将来の健康を保証せしめることだ。そこで米友が、物静かに道庵先生の枕許にはせ寄って、
「先生! 先生! おいらの先生! 起きてくんな」
「ムニャ、ムニャ、ムニャ」
「先生!」
「ムニャ、ムニャ、ムニャ」
「先生!」
「ムニャ、ムニャ、ムニャ」
再三呼んでも同じ言葉を繰返した後に、小うるさいと思ったのか、クルリと向きをかえてしまいました。詮方なく、米友がまた立って歩んで、そちらへ直って、さて、
「先生!」
「ムニャ、ムニャ、ムニャ」
「先生!」
「ムニャ、ムニャ、ムニャ」
「先生!」
「ムニャ、ムニャ、ムニャ」
やはり同一のたわごとを繰返して、こんどはまたクルリと元の方へと寝返りを打っての高いびきです。
詮方なく、米友がまたこちらへ立返って、そうして、
「先生!」
「ムニャ――」
今度は一言でまた寝返りを打って、あちらを向いてしまいましたから、米友が勃然として怒りをなしました。
ふざけてやがる、おいらがこうして起してるのを承知してやがるんだ、承知の上で、わざとムニャムニャとしらばっくれておいらをからかって、あっちへ向いたり、こっちへ向いたり――人をばかにしてやがる、常の場合ならいいが、こっちはこの通り苦労している、人間一人の生命に関する場合に、ふざけるもいいかげんに