Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

Leggi 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 268.946 caratteri · 520 schermate

Aozora Bunko

道庵は――と見れば、一方の枕屏風の中――つまり昨夜、遊魂がそこからぬけ出した後の寝床にもぐり込んで、すやすやと寝息を揚げておりました。事実上これでは逆で、米友がいない限り、病人を寝かせて置いて、道庵が看護を兼ね、仕儀によっては流し元までも立廻らなければならない状態が逆で、病人を働かせて、自分がすやすやと寝息を揚げるということは、あまりのことなのですが、また、取りようによれば、こうして病人がともかくも働けるようになり、お医者さんがすやすやと寝られるようになったればこそ、もう占めたものなので、これがまた逆に戻って、道庵が水瓶をひっくり返したり、鉄瓶を蹴飛ばさなければならないようになっては、おしまいです。

自在に鍋をかけて、何か朝の仕度をしながら、お雪ちゃんはやつれた面に乱れた髪を少しかき上げて、火箸で暫く火いじりしながら、物を考え込んでおりました。そこへ、

「お早うございます」

と表からおとのうたのは、意外のようで意外ではない人でした。

「これは不破の関守さん」

「昨晩は失礼をいたしました」

「どうもおかまい申しませんで」

「友さんは――」

「ちょっと今、出かけましたのですが、もう戻りそうなものです」