Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Leggi 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 268.946 caratteri · 520 schermate
鴉黄というのは、鴉のことでもなければ、黄昏のことでもない。それには、想い及ばなかったところの濃厚な意味が含まれていると共に、お銀様の反抗心を、また物狂わしいものにしたところの、歴史上の重大なる描写と諷刺とのあることを、あの詩全体から発見するに至りました。
あれは申すまでもなく、盧照鄰の「長安古意」の長詩の中の一句でありますが、何の意味となく誦していたところのものと、新たに取調べたことによって、お銀様はとりあえず、「鴉黄」というのは、唐の時代に於て、支那の風流婦女子によって盛んに行われたお化粧のうちの一つで、額の上に黄色い粉を塗って飾りとしたその習わしであることを知ってみると、「繊々たる初月」というのも自然の夕空の新月のことではなくして、その黄粉を粧うた美人の額の上に描かれた眉の形容であることを知るに及んで、漫然たる最初の想像が全く覆されたのです。
ちょっとしたことでも、物は調べてみなければならない、学問上のことについては、独断であってはならないという自覚を、お銀様がその時に呼び起されてみると、同時に、ただあの詩の中の右の一句だけでなく、あの長詩全体に亘っての意味を味わわなければならないと、自家蔵本の渉猟にとりかかりました。