Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Leggi 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 268.946 caratteri · 520 schermate
しかし、不幸にして二人の聞こうとしていた鈴慕は聞くことができないのみか、音色を鈴慕に借りて、内容、精神はやっぱり堕地獄の音でありました。それ故に、わたしはあれを聞かせないように、せめて、あなたにそれを聞かせたくないようにとつとめている心は、今もあの時も少しも変りありません――それですから、今のわたしと致しましては、お雪ちゃんに怨まれましょうとも、ズルイと言われましょうとも、コスイと言われましょうとも、うやむやと言われましょうとも、これよりほかに何とも致し方がないのでございます。ですから、これはそうと致しまして、お雪ちゃん、わたくしはこれからひとつ、お山巡りをして参りますから、少しのあいだ待っていて下さい。お山巡りと申しますのは、実は、わたくしも縁あってこの胆吹山の麓を汚しながら、まだお山の神様へ御挨拶にもお礼にも出ておりませんから、これからひとつ……参詣をしてまいりたいと思うのです。お聞きにもなりましたでしょうが、この胆吹山と申しまする山は、日本七高山のその一つに数えられておりまする名山でございます。高さから申しますと、さきほどあなた方がおいでになった焼ヶ岳や穂高、神高坂、大天井の方の山々とは比較になりませんけれども、あの地方は、山そのものも高いことは高うございますけれども、地盤がまたおのずから高いだけ