Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Leggi 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 268.946 caratteri · 520 schermate
「そんなことが許されていますかね、自分の最愛であるべき女房が、相手かまわず不義をしてもいいと言って、ながめていられるような社会が、現在のこの世界にありますかね」
「だから、片一方だけと言ったではありませんか――片一方というのは、男の側にだけということなんですよ、男の方は、現在の妻の目の前で、どんな不義をしても通っているし、通されているのです、その点に於て、女は嫉妬深いというけれど、実は寛大至極なんですね、早い話が、わたしたちがこんど新しく求めて種を蒔こうとする理想国の地面は、昔京極家の城跡であったということですから――ひとつその京極家から出立しての実例について見ようではありませんか」
「なるほど」
「このお雪さんという子が仮住居にしているところに、大きな松の木があるのです、わたしはそれを見ると、あの辺をどうしても松の丸殿と名をつけてみたくなりました。御存じでしょう、松の丸殿というのは太閤秀吉の御寵愛の美人の一人なのです。あの人は、或る城主の妻でありましたが、それが囚となって秀吉の御寵愛を受ける身になったのです。お妾ではないそうです。太閤には五妻といって、ほとんど同格に扱われた五人の夫人がありましたことは、あなたも御存じでしょう。