Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Leggi 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 268.946 caratteri · 520 schermate
これゃあ、ほんのお印だが、どうか皆さんでお茶うけに召上っていただきてえ。わしゃ、江戸の下谷の長者町で道庵といえば知っている人は誰でも知っている、知らねえものは誰でも知らねえ、至極お人よしの十八文でげす、どうかよろしく」
こう言って、出店商人に持たせた三蒸籠の今坂を、恭しく楽屋一党へ向けて差出したものですから、楽屋一同が面喰ってしまって、一度は呆気にとられましたけれども、その申し出でたところを一応思い直してみると筋が通っている。
誰も賞められて悪い気持のするものはない、まして素人芝居の一幕も打って見せようという善人たちですから、村のかみさん、娘さんがお世辞にも、あそこがよかったと言ってくれれば有頂天になり得る善人たちである。ところがここに現われた旅の人というのは、自分から名乗るところによると、正銘の江戸の本場者で、しかも三都名優の舞台らしい舞台を若い時から見飽きているような口吻でもある。その本場の江戸ッ児が思いがけなくこう言って、わざわざみやげ物まで持って賞めに来てくれたのだから、楽屋一党が喜ばずにはおられない道理です。
まず、チョボ語りの太夫さんの源五郎殿が、調子を合わせていた三味線をおっぽり出して道庵の前へ飛び出して来ました。