Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

Leggi 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 268.946 caratteri · 520 schermate

Aozora Bunko

「飲むのは辞退しないよ、ただ、一杯飲むごとに気が滅入る」

「まだあんなことを言ってやがる、勝手にしな。ところで、こっちも人に飲まれたり、愚痴を聞かされたりばっかりしていてはうまくないから――これより、思うさまお相伴と致して」

丸山勇仙も、この辺から板前を辞して、自分も会席へ進出しました。

十四

ところが、自分が飲み出してみて、丸山勇仙が、

「仏頂寺――」

「うむ」

「旨いなあ――この酒は」

「旨いな」

「松茸も旨いだろう」

「旨いよ」

「浮きな」

「浮かない」

「では、僕が大いに浮いて見せよう」

丸山勇仙は、浮かない仏頂寺を浮き立てるつもりで、自分がぐいぐいと手酌で盃を重ねながら、ようやく浮き立とうとつとめたが、気のせいか誂向きに浮いて来ないらしい。

そこへ仏頂寺が、また横の方から、すさまじい声で呼びかけました、

「丸山――」

「何だい」

「そもそも我々は、これからどこへ向って行こうというのだな」

「君の郷里、越中国氷見郡へ出ようということになっている」

「駄目だ、駄目だ、仏頂寺がこの仏頂面を下げて、今更のめのめと故郷へなんぞ帰られると思うか」

「今それを言い出されちゃ遅い、では、この辺で立戻りの弁慶とやらかすか」