Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Leggi 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 319.771 caratteri · 617 schermate
だが、こちらもさるもの、一向にひるまない。
「二つにでも、三つにでも、わけて見ねえな」
世間とは何で、出世間とは何だと、野暮な追究を試みるようなことをしないで、三つにでも、四つにでも、千万無量にでも、分けられるものなら分けてみねえなという度量を示したものですから、弁信もさもこそとうなずきました。
「では、その世間の方から申してみますると、米友さんも御承知でしょう、今の世間は一方ならず騒がしい世間ではございませんか」
「騒がしいよ」
と米友が言下にうなずきました。
「今日の世界が、騒がしい世界でございますことは、米友さんにも充分おわかりのことと思いますが、それでは何が騒がしいとお聞き申してみたら、さすがの米友さんも返答にお困りでしょう」
「そうよな、騒々しい世間じゃああるけれど、何が騒々しいと聞かれると、ちょっと挨拶に困るなあ」
「その通りでございます――私たちの周囲に何の騒がしいことがございますか、後ろを顧みれば、逢坂、長良の山々、前は東山阿弥陀ヶ峯を越しますると京洛の夜の世界、このあたりは多分、山科の盆地、今の時は丑三ツ、万籟が熟睡に落ちております、この静かな世界におりながら、私もこの世界が騒々しいと思い、米友さんも騒々しいと思う、誰が騒いでおりますか」