Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠19

中里 介山

Leggi 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 319.771 caratteri · 617 schermate

Aozora Bunko

「無提灯で歩いちゃあ礼儀に欠けるというのは、どういうわけなんだ」

「昔、江戸では端唄がございました、夜更けて通るは何者ぞ、加賀爪甲斐か、盗賊か、さては阪部の三十か、という唄が昔ございました、夜更けて無提灯で歩くものは盗賊か、盗賊改めのお役向に限ったものなのです、ですから、世間の人が、無提灯で暗の中をうろうろ致していれば、盗賊と間違えられてもやむを得ないものでござります。夜、人をたずねるにも、人を送るにも、または自分ひとり歩きを致しまするにせよ、家々の定紋のついた提灯に火を入れることが礼儀でございまして、礼儀は即ち用心でございます」

「そういうわけなら、大谷風呂で借りた提灯を点けて歩くとしよう」

そこで米友が、腰にくくりつけていた一張の弓張提灯を取りおろして、丁々と点火にとりかかりましたが、手器用に火がつくと、蝋燭が燃え出し、鎖を引くと蛇腹が現われて、表には桐の紋、その下に「山科光仙林」の五字が油墨あざやかに現われました。

六

提灯に火をつけたのも、その持役も、同じく米友でありましたけれども、この提灯持は、世間常例の如く先に立つことをせず、一足あとから、例によってはったはったと歩いて行きます。