Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Leggi 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 319.771 caratteri · 617 schermate
ば、わざわいその身に及ぶというようなことを説いて――それは寧ろ福松の最初からの口伝のようなものですけれども、それを繰返して述べて、福松に渡そうとすると、福松がそれを押し返して、なるほど、それはそうに違いないでしょう、わたしとしても、自分が汗水で儲けた金とは思わないけれども、それにしても馬鹿正直に届ける必要のないお金、もとへ返す便りもないし、もとへ返すよりは、こちらで有効につかった方が、身のためにも、人のためにもなるというもの。そこに義理を立てるつもりはないと思って、いっそ、この金のある限り、二人で旅をしてみたいなんぞと仇し心が出ないことはなかったが、今のわたしの身になってみると、もう、そんなお金はいらない、身の振り方がきまってみると、あとはお財は腕から出て来る、そこは憚りながら芸が身を助ける自分の力、これから先に大金は用があって要がない。
それに比べると、あなたはこれから、やっぱり旅。いくら有っても邪魔にならないのは、お財というもの、これはあなたがお使いなさるが当然のお駄賃。
心から福松は、そういう観念で、兵馬にまた三百両の大金を押し返し、押しすすめましたけれども、それを、そうかと言って、翻って受け納める兵馬ではありません。