Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠19

中里 介山

Leggi 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 319.771 caratteri · 617 schermate

Aozora Bunko

宿をはじめてから、お客様が来て下すっても、下さらなくても、そんなことはかまいません、一度、あなたを呼んで、帳簿格子のお内儀さんぶりを見せて上げさえすればそれでお気が済みますとさ。さあ、いよいよそうなるとしますとねえ、稼業の方はうつの家でいいけれど、宿屋の方は何としましょうねえ、そうそう、あたしの福という字と、あなたの兵馬の馬という字をいただいて、福馬屋とか、福馬館とか名乗りましょうよ。いいでしょう、いけない? あたしの福が上になって、あなたの馬が下になる、それでは御機嫌が悪いの、いいでしょう、男ばっかり上になって、威張りたがらなくても、少しは女も立てるものよ、馬は人が乗るものだから、かまわないじゃありませんか。それにあなた、稼業の方は、うつと、あなたの字を立派にあたしの名の上にいただいているじゃありませんか、こんどは下にいて頂戴よ、仲よく、おたがいさまにねえ」

兵馬は、そんなことは、いいとも悪いとも思わない、ただ今晩一晩は、この女のために、なんでもかでも聞き役になってやりさえすれば修行が済むのだ、義務が果せる! といういい気だけのもので、その間、ちょいちょい、座を白まさぬ程度にうけ答えているうちに、一番鶏が鳴き出しました。