Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Leggi 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 319.771 caratteri · 617 schermate
自分は馬鹿だから、せめて世間並みのところで心やすく働かせてもらいたいと一生懸命につとめているのを、世間が買いかぶってくれてしまっている。そのことわけを言って、辞退をすればするほど、買い手が殖えて来る――与八は、どうかしてそれを今のうちに予防しなければならない、ということを、心ひそかに恐れ怖れているのです。
それから、もう一つ――与八が内心の恐れ、というよりは、内心の責務に責められて、これを怠ってはならないと絶えず鞭打たれているような心持の一つに、郁太郎の教育のことがあります。
郁太郎も、今年はもう数え歳の五つです。これから人間をこしらえなければならぬ、その父となり、母となり、兄となり、姉となり、師となり、友となる一切の責任が、自分一つの身にかかっているということを、与八は常に、切々と責められているのですが、今日この頃、この地へ落着いてみると、その責任が全く確実性を帯びて来ました。
この子を教育しなければならない、他の子供の教育はいわば片手間であるが、この子供は特別に自分の上に課せられた任務であることを感じてみると、漠然とした、その教育方針を考えさせられるのも当然です。