Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠19

中里 介山

Leggi 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 319.771 caratteri · 617 schermate

Aozora Bunko

「これが海道名代、走餅というやつなんでござんして」

「ははあ、これが走餅か。この間、名所の走井を見ようとしてたずねてみたら、もう人の垣根の中に囲われてしまっていたっけ、走餅はないかと聞いてみると、本家は大津浜の方へ引越したということで、とうとう名物の旨いのを食いそこねたが、ここでめぐり会ったのは有難い」

「どうぞ、たくさんおあがりになって」

「うまいなア」

「自慢でござんしてな」

「自慢はいいが、盗み食いはいけねえぞ、三公」

と不破の関守氏の言うこと、いささか刺があったので、三公が仰山らしくあわてて、

「飛んでもねえ、盗み食いなんぞするんじゃございませんよ、ふ、ふ、ふ」

と含み笑いをしました。

「穏かでないぞ」

関守氏からたしなめられて、三公は、

「だって旦那、据膳を食べたからといって、盗み食いとは言えますまい、ねえ、先様御持参の御馳走をいただく分には、罪にはならねえと思うんですが、どんなものでしょう、一つ御賞翫なすってみていただきてえ」

と言ってにやにやしながら、関守氏にお盆の走餅をすすめます。

関守氏は、その走餅の箸を取らずに、いささかくすぐったいような面をしてながめているだけです。