Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Leggi 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.601 caratteri · 387 schermate
「死ぬ者は勝手に死ぬとは、ようもまあ、そのようなお言葉が……なるほどわたくしは賤しい歌うたいでございますから、勝手に出まかせに歌もうたいましょうけれど、お死になさる人は決して酔狂でお死になさるのではございません」
「…………」
「どういうわけか、わたくしなどはちっとも存じませぬけれど、どうやらかのお方はお前様のために廓へ身を沈めて、慣れぬ苦界の勤めからこの世を捨てる気になったのでございましょう、それが死んで行く時まで、あなた様のことを心配して、あの中からお金まで都合して下さるおこころざしは、わたくしなどは他で聞いてさえ涙が溢れます、それですから、わたくしは途中で自分が捕まって殺されてもいいから、この手紙だけはお届けしなければならないと思いましたのに、そう思ってここまで参りましたのに……」
お玉は情がたかぶって着物の襟を食い裂きました。
なにも礼を言われたいために危険を冒して来たのではないけれども、人の情に対する感謝の美しい一雫を見たいものと思わないではなかったのに、この人は、情というものも涙というものも涸れ切った人なのか、そうでなければ天性そういうものを持って生れなかった人なのか。