Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

Leggi 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.601 caratteri · 387 schermate

Aozora Bunko

「聞いて来い、今のあの若侍に聞いて来い」

突然、猛るような大きな声でこう言い出したので、番頭は、

「何でございます、何をお聞き申すのでございます」

「あの若侍が知っている、お豊の行きどころを知っている」

「あの方がでございますか。あの方がお内儀さんの……」

「知っている、聞いて来い」

金蔵は、怒鳴りつけて番頭を立たせました。

番頭は、何のことだか一向わからないけれど、まあ言われる通りに聞いてみようと、怖る怖る兵馬の部屋をさして出かけて行きます。

「そうだ、それに違いない――」

金蔵は、ひとりで歯噛みをしています。

「前髪立ちの若衆と、三十前の年増だ……年上の女に可愛がられていい気でいる奴もあれば、ずんと年下の男を滅法界に好く女もあらあ――油断がなるものか。第一、こちらからお豊のやつが上って行く、上から若侍が下りて来る、ほかに誰がいた、証拠を押えたようなもんだ――お豊を隠しやがったな、あの若いのが」

金蔵の眼は、みるみる火のように燃えてゆきます。

金蔵は英雄でも偉人でもないけれど執念深い――執念のためには命を投げ出して悔いない男である。思い込むと蛇のように執拗くなる男であります。