Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Leggi 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 195.601 caratteri · 387 schermate
「尤も……」
一同は更に異存がない、異存らしい面色もない。死すべきところに死ななければ、死せざるに勝る恥があるということの分別はいずれも人後に落ちないものであったから、彼等は死を争おうとも、それに異議を唱うるものが一人もあるべきはずがない。一座が無言にして沈黙の重きに圧されたのは潔き同意の表白であったから、言い出した酒井賢二郎も満足して、
「御同意で忝ない。ただし、これは強いては申さぬこと、なおまた万死を賭して中山殿の御跡をお慕い申してみたい者は、そのようになさるがよい、国に残る妻子眷族のことが気にかかるものあらば、それもまたお心任せ」
酒井賢二郎は一同を見渡して念を押すと、静まり返った中から、
「いかにも酒井氏の申さるること、道理至極、死すべき時に死せざれば死するに勝る恥がある。今はとても中山殿のお跡を慕うこともなり難し、いわんやまた、いまさらに妻子眷族に未練を残す者もあるまい、ここで腹を切るが最上の武士道と存ずる」
水野善之助というのがこう申し出でる。自然これが一同の意志を遺憾なく代表したことになった時に、
「拙者一人だけは――」
ヒヤリと剃刀で撫でたような言葉。