Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠6
中里 介山
Leggi 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.112 caratteri · 362 schermate
その実、誰も言葉をかけた者もなければ、物音を立てた者もありません。弁信は杖を取り直して、提灯を持ち換えながら誰かに向って、こんなことを呼びかけて立ち止まり、
「ちょっとお断わりを申し上げておきます、わたくしはこれから本所まで行って参りたいものだと存じます。あれから暫く御無沙汰を致しました法恩寺の長屋へ参りまして、皆様に御挨拶を申し上げて来たいと存じまして、これから出かけるところでございます。長屋の衆は、さだめて、わたくしがあれから一度も便りを致しませんものでございますから、死んだものと思っていることでございましょう。かねて、わたくしは左様に申し残しておいたのでございます、こういう身の上でございますから、いつ、どうして、どんなところで間違いが起るか知れませんから、もし、二日も三日もわたくしが帰りませんでしたら、死んだものとお諦め下さいまし、決して、お忙しいところをお探し下さるような御心配をなすっていただいては困ります、と、こう申しておいたものでございますから、多分、長屋の衆も、弁信は死んだものと思っておいでなさるだろうと思います。それでも、こうして無事でいるのでございますから、一応は御挨拶に上らねばならぬとは思っておりましたけれど、こちら様で御懇意になったお方の不思議の御縁に引かされて、今日までこうして御厄介