Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠6
中里 介山
Leggi 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.112 caratteri · 362 schermate
「叱ッ」
叱りつけた者がありましたけれど、弁信はそれを耳にも入れないで、
「もし、皆様、火薬の臭いが致しまする、このお部屋の中に烟硝の臭いが致しまする」
言いも終らぬ時に、轟然たる響きと共にこの一室が、裂けて飛んだかと思われる家鳴震動です。
静粛な弾曲の半ばに思い設けぬこの出来事は、一座のすべてを驚かさないわけにはゆきません。少なくとも三十余人は集まっていた勇士豪傑の驚きぶりが、またそれぞれ個性を発揮しているところが面白いと言えば面白いものです。或る者は二三間飛び退いて太刀を抜かんと構えました。或る者は下へつくばるようにして、身を沈めながら敵の呼吸を見るような形であります。或る者はまた、列座のうちの少年をかこうて、身を以て降りかかる災難に当ろうとするもあります。
けれども、誰ひとり、この思い設けぬ出来事の原因を知ったものはありません。謀叛人がこの屋敷へきりこんだというわけでもなく、また謀叛が発覚して御用の手が混み入ったというわけでもなく、ただ一発の弾丸が――それも無論、大砲の丸ではなく小銃の弾丸が、つまり火鉢にかけた薬鑵の下から爆発して、この場の空気をかくの如く破りました。